Q. 借金があり、個人再生を申し立てたいと思っていますが、父から相続した財産、(土地、建物)があり、私自身この相続財産を手放す気はありません。破産をすると、所有する土地、建物は、手放さなければいけないと聞きました。個人再生手続きをした場合、この相続財産はどうなりますか。

A. 自己破産の場合は、原則として、財産はすべて手放すことになりますが、個人再生の場合は、所有財産を手放すことが必ずしも求められるわけではありません。ただ個人再生は、原則として法律の基準に従って減額された『金額』を支払うことで、その残額を免除してもらう手続きですが、財産がある場合には、少なくともその財産価値分までは、債務を支払わなければなりません。そうすると、相続する財産の総額が、法律の基準に従った『金額』よりも高ければ、相続財産の総額と同様の金額を支払わなければなりません。例えば、借金の総額が1、000万円あり相続財産の総額が500万円ある場合、法律の基準に従って減額される結果、支払うべき『金額』は200万円ですが、この金額(200万円)よりも相続財産の総額(500万円)の方が高いので、支払金額は500万円になります。したがって、相続財産が高額な場合、毎月の支払い額が高くなる為、相続財産を手放さずに民事再生をするということは、きわめて困難な場合が多いと思われます。